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武闘派法律家の真実ブログ時代の変化を捉える職人・公益性と事実の意見

巨額の損害賠償請求・司法書士や税理士へ余り過ぎた弁護士が襲いかかる時代 否認や非弁の無料鑑定・公認会計士飯田はじめ03-3984-2333このブログは飯田の個人的意見です

冲方丁のこち留から見える冤罪のリスクが怖すぎる

以下記事転載

 

 

[風俗]冲方丁のこち留』を読む


http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20161104/1478269274


 冲方丁冲方丁のこち留』(集英社インターナショナル)を読む。副題が「こちら渋谷警察署留置場」というもの。2015年8月、冲方がファンとの交流のイベントを催した直後の打ち上げ会場に突然警察がやってきて、渋谷警察署までの同行を求め、警察では逮捕状を示されて逮捕される。その逮捕状には前夜マンションのエントランス前で妻の顔を殴って前歯破損の疑いとあった。

 作家の冲方丁逮捕の新聞記事が大きく載っていたことを憶えている。家庭内DVのためというのも微かに記憶にある。しかし本書ではそれらはすべてでっち上げ冤罪だと冲方は主張する。警察は冲方を完全に被疑者として扱い、渋谷警察の留置場にぶち込まれる。

 手錠を掛けられ腰縄をされ、深夜長時間取り調べが行われる。朝方になってやっと留置場へ入れられるが、そこは6畳くらいの広さで先客3人が収容されている。先客たちは意外にも親切で、慣れない冲方にいろいろていねいに教えてくれる。冲方の記す留置場生活はけっこう悲惨なものだ。粗末な食事は体力や思考力を弱めるためにあるとか、夜中も監視のため一晩中明かりがつけられたままとか、扉のないトイレとか・・・

 留置場の先客=先輩が腕の立つ弁護士を紹介してくれる。弁護士から警察や検察への対応を指導される。ロープに繋がれバスで検察庁へ連れていかれる。検事の簡単な取り調べで10日間の勾留が決まってしまう。

 その後何度も取り調べを受けながら、9日間の勾留のあと釈放される。しかしこれで無罪放免というわけではなく、釈放から50日ほどたってやっと不起訴処分が確定した。

 冤罪の恐ろしさがよく分かった。私だっていつ何時警察官が現れて逮捕されるか分からない。何しろ冤罪というのは何もしていなくても罪に問われるのだから。冲方は有名人だったので編集者などのサポートが得られたし、優秀な弁護士を紹介される幸運もあった。弁護士費用も100万円以上必要で、貧乏人では国選弁護士などの場合によっては無能な弁護士に当たってしまうかもわからない。

 日本では起訴されれば有罪になる確率は99.9%だというし、2割は冤罪だとも書かれている。もし私が突然逮捕されたら、飼っている猫たちの餌やトイレなどの世話はどうなるのだろう。娘に連絡して猫の世話を頼むことはできるのだろうか。そのことが一番気にかかったのだが、思えば私も能天気な性格なのかもしれない。

 冲方告訴したらしい妻のことをもう少し知りたい気もしたが、そのあたりはなかなか微妙なものがあるのだろう。

 巻末に冤罪をテーマにした映画『それでもボクはやってない』の監督周防正行との対談があった。この映画も見てみたい。

 

冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場

 

 

冲方丁、冤罪DVでの留置場生活を語る 「飼育されている気分になりました」

 http://www.dailyshincho.jp/article/2016/09161300/?all=1

この世に「永遠」は存在しない以上、冷めない愛というものもなく、どこの夫婦も倦怠期を迎えるもの。とはいえ、男女のすれ違いが、身に覚えのない「冤罪DV」となって降りかかってきたら堪(たま)らない。

 ***

9日間の「27番人生」を体験

「留置場という場所を一言で表すならば、『いるだけで具合が悪くなるようにするために、とことん趣向を凝らした空間』ですかね。何が辛(つら)かったって、夜、電気を消してくれないことです。明るい電灯のもとではなかなか眠れません。睡眠を奪うのが『最高の拷問』だと、よく分かりました」

 こう振り返るのは、作家の冲方丁(うぶかたとう)さん(39)だ。2010年、彼の著作『天地明察』は吉川英治文学新人賞本屋大賞をダブル受賞し、ミリオンセラーとなった。

 そんな人気作家の冲方さんが、まさに天地がひっくり返るような事態に見舞われたのは昨年8月22日のこと。突然、警視庁渋谷署へと連れていかれ、そのまま逮捕されたのだ。1歳上の妻を拳で殴り前歯を破損させた傷害容疑だった。冲方さんには全くもって思い当たる節はなく、事実、同年10月、不起訴処分となったが、彼は釈放までの9日間、留置場で「27番」と呼ばれる屈辱を味わう。その体験をまとめた『冲方丁のこち留―こちら渋谷警察署留置場』を8月26日に上梓した。

 冲方さんが続ける。

「妻と入籍したのは02年で、結婚14年目のごく一般的な夫婦だったと思います。夫婦喧嘩をして『もう離婚するか』と話すようなことはあっても、暴力を振るったことなどありません。実際、勾留中に妻は弁護士を通じて、『(冲方さんを)訴えていない』と言ってきました。今もって一体この騒動は何だったのか謎のままですが、日本の警察、司法は逮捕イコール有罪を前提にしていますから、供述調書も『本人はやっていないと主張しているが、逮捕状は存在する』という風になってしまうんです」

■指先で歯を折る!?

 例えば、妻を殴ったのならば冲方さんの拳にも傷が残っているはずなのにその痕跡はない。すると刑事は、

「たとえばさ、奥さんに向けて指とかさしたときに、うっかりその指先が歯に当たって、そのせいで歯が折れたけど気がつかなかった、なんてことはない?」〉(前掲書より)

 と、誘導尋問。しかし、

〈振り返って「うっかり」指先で人間の歯を折る? もしそんなことが可能なら、私は拳法の達人〉(同)

 こうした理不尽な留置場での生活を、再び冲方さんが回想する。

「曜日によっては昼食が食パンと紙パックのジュースのみといった具合に、食事が粗末なので体重が落ちます。しかし、運動不足からか身体は変な感じでブヨブヨしてくる。ブロイラーとして飼育されている気分になりました。床にずっと座るので足腰が軋(きし)み、関節もシクシクと痛む。極端な塩分、糖分不足なので頭もぼーっとしてくる。ぎりぎりまで人を追い込み、ぎりぎり生かす。その目的を達成するための空間としては、留置場は非常に“洗練”されています」

 現在、離婚裁判中の冲方さんだが、

「逮捕以来、2人の子どもとも会えていないので、『ひとりで寂しくないですか』と聞かれることもありますが、留置場の孤独感に比べたら、それすらたいしたことがないと思えるほどです」

 冤罪DVに巻き込まれる悪夢とだけは、永遠に遭遇したくないものである。

「ワイド特集 きょうびの寓話」より

  • 2016年9月15日号 掲載
  • ※この記事の内容は掲載当時のものです

 

 

 作家冲方丁が警察の自白強要手口を暴露

http://lite-ra.com/2016/04/post-2129_3.html

 

妻へのDV容疑で逮捕された作家・冲方丁が、自白強要へ追い込む警察の卑劣な手口と留置場の実態を暴露!

2016.04.04

http://lite-ra.com/2016/04/post-2129.html

 

警察の自白強要手口を暴露した冲方丁氏(『偶然を生きる』角川新書より)

 昨年8月23日、作家・冲方丁氏が逮捕されたことをご記憶だろうか。『天地明察』(角川書店)で本屋大賞も受賞した、ベストセラー小説家であり売れっ子アニメ脚本家、そしてイケメン作家として名を馳せた冲方氏のまさかの逮捕劇、しかも、その容疑は妻に対するDVということで当時多くのマスコミで驚きをもって報じられた。

 一体、冲方氏に何が起こったのか。そしてDV容疑の真相は――。

週刊プレイボーイ」(集英社)の冲方氏自身の手記「冲方丁のこちら渋谷警察署留置場」(2015年12月14日号から16年3月21日号まで連載)には、その逮捕から抑留生活そして意外な事の顛末が描かれている。

 ことの発端は8月22日、東京・秋葉原冲方氏が仕事の打ち上げをしていた時のことだった。その店に警察が現れ、こう告げたという。

冲方丁さんですね。奥様のことでお聞きしたいことがあるので、署までご同行願えませんか」

 冲方氏は妻の身に何かあったのかと、事情も分からないままパトカーに乗せられ、渋谷署で翌未明に逮捕状を執行された。その容疑は21日午後7時頃、事務所マンションのエントランスで妻と口論となり、顔を右手拳で一発殴り、前歯を破損させたというものだ。

 容疑を否定する冲方氏に対し、警察の取調べの様子が描かれていくのだが、これは容疑者に対する警察の態度を考える上でも興味深いものだ。なぜか深夜に逮捕され、取調べはそのまま翌23日朝まで続いたという。

〈きっと向こうにしてみれば、ほろ酔いかつ疲労困憊の私が相手ですから、あっさり自白すると高をくくっていたのでしょう。どれだけ事情を話そうとしても「うんうん」と聞き流すか、あるいは「ちゃんと話は聞くからさ、先に手続きを進めさせてよ」などと相手にしてくれません。(略)とにかく逮捕状の内容を認めさせたい警察としては、あの手この手を講じてきます。例えば、私に妻の愚痴をしゃべらせようとします。「わかるよ、その気持ち」などと同情してみせたかと思えば、突然、「今さら後悔しても遅いんだよ」と厳しくなったりする。
 かと思えば、聴取中に留置場担当の警察官が手錠をかけるなどして屈服させようとする。きっとこうやって、こちらのスタミナや精神力を削り、心を折ろうとするのが彼らの常套手段なのでしょう〉

 自白偏重が批判される日本の警察だが、その様子が作家の目を通して語られていく しかも、後に判明するのだが警察は自白を強要する一方、肝心の物証については無頓着だった。留置3日目の8月25日、潔白を訴える冲方氏は取調べでこう主張した。

「マンションの監視カメラを調べてくださいよ。DVがあったというマンションのエントランスも撮影されているはずですから」

 警察は冲方氏のこの証言から早速この日に監視カメラを押収したというが、これはつまり冲方氏が指摘するまで警察は監視カメラという“決定的物証”の存在を把握することなく、そして押収、捜査さえしていなかったということだ。

 だが、これは冲方氏にとっても失策だった。冲方氏は弁護士に「なぜ私に先に言ってくれなかったのか」と叱責されてしまう。警察がこの証拠を握って、冲方氏に無罪主張をさせない可能性があるからだ。結局、弁護士の言葉のようにこのカメラの存在は最後までうやむやになってしまったようだ。

 冲方氏が理不尽と感じるのは当然だが、だからといって釈放されるわけではない。冲方氏は9日間に渡り留置場に入れられてしまうのだが、ここも“自白装置”として機能する場所であることが手記に綴られている。

〈(留置5日目)この頃になると、連日の栄養不足がてきめんに影響を及ぼし、頭は常にぼーっとした状態で、あからさまな倦怠感に苛まれました。夜間も証明を消してもらえない留置場内では、睡眠も不足しがちで、もはた気力も集中力も皆無〉

〈(留置8日目)ぼーっと座っていることが最もツラくなってきますから、意味もなく室内を歩き回ったり、『何時間たったかな?』と鉄格子の隙間から廊下の向こうの時計を見ようとしたり、異常なくらい落ち着きを失います。『2時間はたっただろう』と思って、うかつに廊下の時計をのぞくのは危険で、実際にはほんの30分程度しか針がすすんでいなかった場合などは、いよいよポキリと心が折れそうになったものです〉

 既に拘禁反応とも思える症状が現れてきた様子が描かれるが、これは代用監獄とも揶揄され、自白強要と冤罪の温床と批判される留置所の実態でもある。冲方氏は警察に対する不条理な行為に対し怒りを記す一方、留置場で生活を共にした人々と交流や助けでそれを乗り切る様を“作家らしく”綴る。

 しかし、最大の疑問は、なぜ冲方氏が逮捕され、留置されたのかだ。手記には冲方氏が一貫して容疑を否認する一方、その真相が全て描かれているかというと、そうではない。というのも冲方氏本人にも理解できないという不可思議な状況があったからだ。

 暴行があったとされる21日晩、会食の予定のため仕事場を出た冲方氏は、確かに妻とは会っていたという。その状況は以下のようなものだった。

〈エントランスに降りると、ガラス戸の向こうに、電動自転車に乗った妻がいるのが見えました。妻は保育園へ子供を迎えに行く途中だったと記憶しています。
 私はひと言、ふた言、言葉を交わして、タクシーに乗って出かけました〉

 それ以前の関係にしても、夫婦喧嘩もあったが、ごく一般的なことだったと冲方氏は認識している。

〈いったい私の妻は、起きてもいないDVを訴えることで、何をしたいのか? (略)真相はわかりません〉

 しかも、留置中に弁護士から送られてきた妻の言い分の書類には「私は夫を訴えていません」となっている一方、和解の金額3000万円を要求してきたという。

 冲方氏は「わからない」というが、しかし夫婦間で何らかのトラブルが存在した。少なくとも妻側はそう認識している。そう考えないとあまりに不自然だ。

 冲方氏は逮捕から9日後、釈放され不起訴処分となっている。事実上、妻や子どもとは接触しないよう言い渡されて。

 もし本人さえも本当にわからないなら、改めて周囲を取材し、真相に迫ってほしい。妻に接触が無理でも、警察に押収された監視カメラの映像を入手するなり、周囲から話を聞くなりしてある程度可能だろう。そうした末に、真実を明らかにしてもらいたい。物書きを生業としているなら尚更だと思うのだが。
伊勢崎馨