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武闘派法律家の真実ブログ時代の変化を捉える職人・公益性と事実の意見

巨額の損害賠償請求・司法書士や税理士へ余り過ぎた弁護士が襲いかかる時代 否認や非弁の無料鑑定・公認会計士飯田はじめ03-3984-2333このブログは飯田の個人的意見です

アパート経営は人口減で相続税対策に成らない 破綻リスク残る 自己破産すら有り得る

以下記事転載

 

 

2015.05.13

 連載

神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

有名不動産業者に蔓延する詐欺的「囲い込み商法」 売り主と買い主両方に多大な損失(前編)http://biz-journal.jp/2015/05/post_9915.html

 

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント

【この記事のキーワード】マンション, 不動産, 住宅

「Thinkstock」より

競争激化の賃貸住宅市場

 

 

 人口減少の悪影響がますます顕著になるといわれる内需産業ですが、私たちに身近な「衣食住」の分野では、住宅関連の不動産業界が最も大きな転換期を迎えているといわれます。

 2013年の日本の人口は1億2724万人でしたが、10年後の23年に1億2200万人に、20年後の33年1億1400万人、30年後の43年に1億400万人となり、35年後の48年には1億人の大台を割り9913万人になると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所の中位推計より)。

 こうした人口減少・少子高齢化の影響を受けて新設住宅着工戸数も減少気味ですが、なにしろ全国的に住宅がすでにあり余っています

 総務省が5年ごとに公表する「住宅・土地統計調査」における空き家率は、調査のたびに増え続けています。1963年に2.5%、73年に5.5%、83年に8.6%、93年に9.8%、03年に12.2%、08年に13.1%と増え続け、ついに13年には13.5%を記録するまでになっています。すなわち、全国の6063万戸の住宅ストック中、820万戸が空き家というわけです。このうち、賃貸住宅だけに限定すると、13年時点で1841万戸中、429万戸が空き家なので、空き家率は一般住宅よりはるかに高く、23%に上っています。すなわち賃貸物件の4件に1件が空き家ということになるわけです。

青息吐息の家主が激増

 

 

 アパートやマンションを長く経営する家主さんにインタビューすると、決まって返ってくるのが「ここ10年で賃貸住宅の需給は急速に緩んでいる」という実情です。2~3月の引越し繁忙期を外れて賃貸物件に空きが生じると、内装・クリーニングを済ませた後に入居者募集をかけても3~4カ月程度の空室期間はザラで、中には半年から1年にわたって空室のままという物件も少なくないといいます。当然、家賃の値下げ競争も激しさを増しています。

 入居者が2年の契約更新期を迎える頃には、入居物件の周辺家賃相場は5~15%も下落しているという有様だからです。そのため、更新期を迎えたちゃっかり入居者の中には、「更新料をタダにして、家賃を10%下げてくれないなら退去する」と家主に申し入れをするとその要望がたちまち通ってしまうなど、入居者にとっては大変オイシイ激戦区もあるということです。こんな時代が来ると、家主もウカウカしてはいられないでしょう。

 莫大な借金をして、マンションやアパートの一棟もの物件を建てた家主さんの多くは、いまや戦々恐々という時代を迎え、日本全国の家主さん共通の悩みが「空室・空き家」問題に集約されるにいたっているのです。

 

 

 こうした需要の減退状況は、物件の売買・賃貸を生業とする不動産業界においても、年々深刻な問題になっています。売買においても賃貸においても、物件そのものが動かなくなってきていますから、サバイバル競争から悪辣な商法に走る業者も少なくないわけです。そこで不動産業界におけるいくつかの悪辣な事例を紹介していきましょう。

 

 まずは、売買の事例からです。不動産業者の売買時の仲介手数料は、客の「売り」もしくは「買い」の際に、それぞれの客からもらう「物件価格の3%+6万円に消費税」というのが宅建業法上では正規の金額です。「売り」と「買い」の客を別々の不動産業者がつなぐ仲介の場合には、当然ですがそれぞれの不動産業者の手数料収入は自分の客からの分だけということになり、これが本来の標準的な取引になるのです。

 ところが近年の不動産業者の中には、「売り主」に「専属売却委任契約」をもちかけ、他の不動産業者に売却依頼ができない契約を結びたがる業者が少なくないのです。その理由は、物件が売れた時に確実に自分のところに「売り主」からの手数料収入が入ってくるからにほかなりません。

 しかし、こうした縛りを入れられたら、物件の「売り主」は自由に複数の不動産業者に売却依頼することができなくなります。なお悪いことに、こうした「専属売却委任契約」を締結した不動産業者は、物件を囲い込み、他の業者経由の「買い主」を忌避し、自社へ直接買いにきた客にだけ売却するようになり、結果として「売り主」と「買い主」の両方からの手数料収入を得ようとするのです。

 つまり、他の不動産業者から売り物件についての状況照会があるたびに、すでに「当該物件は只今売買交渉中です」と嘘を告げることで、他の不動産業者付の「買い主」を遠ざけるのです。当然ですが、こうした行為が横行すれば物件はいつまでたっても売れなくなります。

 こうした業者は「売り物件」を市場で長い間さらしものにした挙句、「売り主」に対して「もっと売却希望価格を下げないと売れませんね」などと圧力をかけたりもします。売れる機会を自ら逸しているにもかかわらず、結果として「売り主」にはいくらでも「値引き損」をさせることにもなるわけです。

 とりわけ問題なのは、全国的に有名な大手業者にこそ、こうした囲い込み手法をとる業者が少なくないことなのです。流通市場シェアに一定の影響力を有するがゆえに、その過信から物件の囲い込みに走るのです。

 不動産を売ろうと考えている人は、専属売却委任契約が詐欺まがいの契約になりかねないと心得、絶対に結ばないようにしてください。諸外国では禁止されているのに、日本で野放しなのがそもそも問題なのですが、行政が放置している以上は自衛するよりほかないといえるからです。

(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント

 

 

 

2015.05.17

 連載

神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

http://biz-journal.jp/2015/05/post_9969.html

 

 

 

アパマン経営は超危険!不動産業者の悪徳商法が野放し 名ばかり管理で暴利ピンハネ(後編)

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント

【この記事のキーワード】マンション, 不動産, 住宅

「Thinkstock」より

「30年間一括借り上げ契約」のあくどい手口

 

 

 本連載の前回記事で、有名不動産業者も手を染める、詐欺的な物件囲い込みの実態を紹介しましたが、タチの悪さでその上を行くといえるのが、遊休地に新築のアパートやマンションを無理にでも建てさせようと画策する不動産業者やハウスメーカーです。30年間一括借り上げの長期契約(サブリース)で家賃保証をした上、「入居者募集から入居者のクレーム処理、メンテナンス対応まですべてウチでやりますから、安心して長期ローンを組み、アパートやマンションを建てましょう」と地主向けに呼びかける広告をよく見かけます。中には「自己資金が少なくても、土地がなくても、ローンでアパート経営ができる」と呼びかける業者まであります。

 

 賃貸住宅においては空き家率が23%にまで上り、ほぼ4軒に1軒が空き家というのが現状です。これから投資用アパートローンなどで長期の借り入れを行って新築賃貸住宅を建てることには、多大なリスクが存在するわけです。

 

 にもかかわらず細かい文字で書かれた契約書をよく読まずに、営業マンに言われるままに「30年借り上げ契約で安心」とばかりに、多額のローンを組んで新築アパートやマンションを建ててしまう安易な人が後を絶ちません。その結果、家主が業者を訴える「サブリース訴訟」は年々増えているのです。

安普請のアパートを建築して高く売る

 

 

 こうした業者は、アパートやマンションの建築費で儲けることが主眼です。家主からのサブリースで儲ける収益のほうは、前述の通りの空き家状況ゆえに期待できないからです。当初から周辺の相場家賃の80~90%前後の家賃設定でサブリース契約をうたっていますが、実際には保証家賃が50%前後以下になるように「免責期間」が設けられ、「2年ごとの賃料改訂」で家賃がほぼ確実に値下げされる契約です。もちろん、礼金・更新料といった付随金も業者が収受します。

 おまけに業者は恣意的にいつでも「解約申し入れ」をして、一定期間後に解約にもっていける契約をしているのがふつうなのです。物件完成後、3カ月間は入居者がいても家主に家賃が入らない「免責期間」や、入退去時にも2カ月間の「免責期間」が設けられ、さらに2年ごとに保証家賃は下げられるのですから、毎月のローン支払いに追われる家主にとっては危険極まりない契約です。しかも設備補修も業者が行うことが大前提ですから、家主が他の安い業者を使って補修などしようものなら即解約です。

 はっきりいって、業者は安普請の物件さえ完成させて家主に引き渡したら、家主のほうから「解約」してもらうことを狙っているといっても過言でないわけです。実にあざとい「30年一括借り上げ契約」ですから、騙されないように契約条項をすみずみまでよくチェックするよりないでしょう。

「名ばかり管理」横行

 

 

 賃貸不動産業界では、すでに物件の7~8割が「管理物件」と呼ばれる賃貸物件になっています。ただし、ここでいう「管理」とは、マンションのメンテナンスや清掃を定期的に行い、管理人を常駐もしくは巡回派遣している管理会社が行っている通常の「マンション管理」とは、まったく別物の「管理」のことをいいます。

 ほとんど何もしないのに「管理」と称して、アパートやマンションなどの1室や1棟物を家主から「委託管理」と称して預かり、家賃の代行収受、入退去時の補修、入居者とのクレーム対応などを行うと称し、家賃の5%前後のピンハネを行うことをいいます。これが街の不動産業者の生命線といってもよい、安定的な収入源になっています。

 現在では、家賃保証会社という存在が普及しており、入居の際に入居者は保証料を払って契約済みゆえに、家賃滞納が発生しても「管理物件」の家賃回収は問題なく保証会社が対応してくれます。また、入居者からのクレーム対応は、電話一本で専門業者に任せられますし、入退去時のリフォームにおいても、業者に依頼して処理し、かかった費用の2~3倍に水増しした金額を家主に請求すればよいだけです。

「管理」と称しても、物件の見回りも清掃も行いませんから、家主が遠方に住んでいてチェックもできなければ、物件は荒れ放題で、ゴミが散乱していても「管理」が行われているわけです。長年、賃貸不動産経営に携わる家主さんから聞こえてくるのは、「不動産業者に管理を任せたといっても、客づけするだけで、あとはほったらかし。入居者のクレームなどにも迅速に対応せず放置プレイが続き、入居者が怒って家主に電話をかけてくるケースも少なくない」というのですから、とんだ「管理」の実態なのです。

街の不動産業者は「家主」と「入居者」に寄生?

 

 

 なにしろ、街の賃貸不動産業者は、せいぜい従業員数も5~6名程度でやっているところがほとんどです。それでいて管理物件が200~500軒もあるというのですから、不労所得を狙ったあざとい商売になっているわけです。

 

 こうした実態なのに、なぜ「名ばかり管理」を依頼する家主が多いのかといえば、「客づけ」に便宜を図ってもらいたいからという昨今の「空室・空き家問題の悩み」が家主の頭に横たわっているからだといいます。そのため、賃貸不動産業者に管理を依頼せず、自分で見回りから清掃を行う自主管理の家主は、自所有物件の入居者募集の際に、「広告料」の名目で余計な手数料を支払わなければ「客づけ」をしてもらえないという悲劇も起こっています。つまり、街の不動産業者は、市場に出回る物件をまんべんなくお客に紹介せず、自社が「管理」している物件しか斡旋しないという「囲い込み現象」がここでも起きているわけです。消費者にとっては、こうした現実は不利益です。

 おまけに、街の不動産業者は、家主がシリンダー交換済みの物件であっても、入居者から勝手にシリンダー交換代(1万5000円程度)を徴収して鍵を交換したり、家主が頼んでもいないのに自社に手数料収入が入る火災保険に契約させ、入居の際の初期費用をつり上げます。

「空室・空き家問題」の深刻化とともに、不動産業界は売買においても賃貸においても、ますます混迷を極めていくことが予想されるのです。行政の厳しい監督と規制が求められてしかるべきでしょう。

(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント